患者様向け
このような足の症状にお困りではありませんか?
[治らない足首・足裏の痛み]
- ☐起床時の立ち上りや歩き始めに踵の激痛
- ☐足裏の踵や土踏まず、足趾のつけねが痛んで歩けない
- ☐左右交互または両側同時に足や足裏が痛む
- ☐整形外科でリハビリ、靴の中敷き(インソール)作ったが痛む
- ☐鎮痛薬やブロック注射が効かない
ちゃんと治療しているのに
なぜ???
[足裏の痺れ・違和感]
- ☐足裏にジャリを踏んだような違和感がある
- ☐足裏に靴下をはいたような違和感がある
- ☐両側の足裏に凸凹感、しびれがある
- ☐足趾のしびれがだんだん足裏全体にひろがってきた
- ☐足裏のしびれが、足首、ふくらはぎへと上がってきた
踵や足裏の痛みやしびれの原因
Ⅰ・局所に考えられる原因
1)足の疾患
長時間の立ち仕事や歩行により、踵の内側前方に痛みが出ます。
朝、起床して最初の一歩目に痛みを感じます。歩くうちに徐々に軽減し、夕方になって歩行量が増えるに従い、再び痛みが強くなってきます。
足底腱膜に牽引力と圧迫力がかかったため足底腱膜と踵の骨の付着部に微小外傷が現れ石灰化・骨棘が見らることもあります。
[治療法]
①ストレッチ ②体外衝撃波治療 ③インソールの装着 ④湿布やステロイドの注射
足趾の神経が骨の間に挟まれることにより足趾の知覚異常、痛みやしびれ感、灼熱感を感じます。
第3趾と第4趾の間、第2趾と第3趾の間に多い。
靴を履いている時に症状が強くなり、靴を脱ぐと軽快します。
アキレス腱は足首の後ろにあるつま先立ちをするような動作の際にはたらく組織です。
走ったり、ジャンプをしたりする運動をくりかえすことでアキレス腱の実質や付着部周辺に炎症を起こすと痛みの原因となります。
稀に痛風による炎症でおこることもあり、特に誘因なく痛みが出現した場合や激しい痛み、腫れや熱感がある場合は注意が必要です。
発育期の子どもの弱い踵骨骨端部に運動などで負荷がかかり、そこにアキレス腱の引っぱる力が持続的に加わることで、踵骨に血流障害が起こり、踵骨骨端核の壊死、または骨軟骨炎を発症するのがこの病気です。
シーバー病ともいわれ、10歳前後の活動的な子どもに多く見られます。通常は片側に症状が出ますが、まれに両足に起こることもあります。急激な痛みというより、ジーンとした痛み方が特徴です。
土踏まずがなくなったものを扁平足といいます。
初期には内くるぶし周辺の腫れと痛み、進行するとアーチの消失、外くるぶしや足裏に痛みがあらわれるようになります。
足の裏のアーチをつり上げているのが後脛骨筋で、加齢や繰り返し体重負荷により、内くるぶし付近で腱が断裂してアーチをささえられなくなり、次第に扁平足となります。
立位で後ろから見た場合、足が扁平化しているため、踵が外を向いて倒れた状態になります。
第一母趾の付け根のMTP関節にある2つの種子骨は、MTP関節屈曲力をあげ、歩行時の衝撃を和らげて、体重の50%以上を支えています。
運動量が過多、外反母趾、疲労骨折、炎症、二分種子骨、感染、骨壊死などで障害が生じます。
MTP関節の足底側に腫れと赤みや、押した時の痛みがあり、痛みのために母趾を上へ反らす事が困難になります。
外脛骨とは足の舟状骨の内側に、本来の状態より余計にできた過剰骨で、骨の出っ張りが多く見られます。
捻挫を契機として疼痛が出る場合が多く、明らかな誘引がなくて自発痛や圧痛を伴うこともあります。
Veitch分類
TypeⅠ:外脛骨が舟状骨から分離
TypeⅡ:外脛骨と舟状骨粗面に繊維性結合。疼痛が出やすい
TypeⅢ:外脛骨と舟状骨が骨性融合して外脛骨は突起状となる
2)足部の一般的な治療
- 安静(アイシング、テーピング)
- 物理療法(電気治療、温熱療法など)
- 徒手療法(ストレッチ、マッサージなど)
- 薬療法(内服薬、湿布など外用薬)
- その他足底板やインソールの作成)
特に原因となる病変がない場合には保存的治療で改善することが多いです。
- 生活指導:長時間の立位・歩行を避けます。業務上必要な場合には休職や職種変更も検討します。
- 内服薬:経口ビタミンB12製剤や消炎鎮痛剤、神経障害性疼痛改善薬などを用います。
- 足底板:特別に作った器具(装具)を靴底に入れます。きつい靴は避けましょう。
- ステロイド剤注射:原因不明で、上記の治療で改善が得られない場合には、有効なことがあります。
- 手術:治療抵抗性で、症状の改善が得られない場合には、手術が行われることもあります。
Ⅱ・中枢(脳や脊髄)に原因
症状は:踵痛・足裏の痛み・しびれ・
違和感(ジャリを踏んでいる感覚・靴下を履いているような感覚)
足裏や踵の痛みで西洋医学では診断名が付き治療をしているにもかかわらず、なかなか症状が改善しないという患者様が多数いらっしゃいます。
遠絡統合医学ではこれらの局所治療で改善されない症状は、中枢(脳や脊髄)に原因がある可能性が高いと考え、詳しい問診や触診により原因を特定し治療します。
たとえば、レントゲンで踵の骨に棘ができていると言われている場合でも、中枢の原因を治療することで症状が改善する可能性があります。
1)腰椎レベルが関係する痛み
⇒一般に片側の症状が多い
腰椎(L2-S4選択)
ソフトレーザーを使用して治療
2)間脳が関与する痛み
⇒両側の足裏
歩行時ジャリを踏んでいるような違和感
リリカなど薬の効果が出ない場合が多い
ソフトレーザーを使用する治療及び
治療用押棒を使用した手技が必要
足裏の感覚
砂・砂利・石の上で歩いているような感覚、踵痛・靴下1枚を履いたような違和感
[遠絡療法による治療]
体の表面にある遠絡治療ポイントを、ソフトレーザーや遠絡治療用棒で刺激します。
遠絡療法では治療に東洋医学で使用される経絡、経穴を参考にしたポイントを使用します。例えば、齦交(鼻と鼻唇溝の境、督脈)、承漿(頤唇溝の正中部陥凹、任脈)、廉泉(甲状軟骨の上縁の沿って奥の所、任脈)、天突(頸椎のポイント、任脈)などです。他にも、治療ポイントは、腹部、手、足、指、などにあります。
治療時間は、処方内容により30~50分程度です。
遠絡療法は、注射や薬、手術などを必要としません。
写真は第2腰椎から第1仙椎の高さの治療例。中枢性の足痛の場合この腹部のポイントに対する刺激だけでも改善する場合が多々あります。
処方にそって手や足のポイントを刺激します
[症例報告]踵痛・足裏の痛み・足裏の痺れ
腰部脊髄から起因する踵痛の症例 66才・女性
- 主訴
- 両足踵痛(他症状として腰痛)
- 既往歴
- 59歳 大腸ポリープ摘出手術
- 60歳 胆のう摘出手術
- 64歳 大腸ポリープ摘出手術
- アレルギー
- 花粉症
- 生活歴
- バドミントン(40年以上続けている)※踵痛を発症してから中止している
治療経過
治療前:平成30年7月頃より起因なく右踵痛を発症、歩行に支障あり。
同年10月初旬に左踵痛を発症し、同年10月12日当院を受診する。
初診時の痛み評価(※)は両側とも「6点」
治療後:右踵痛は「2点」に、左踵痛は「4点」にそれぞれ軽減が認められた。
初期の治療効果持続は約半日程度であったが、回数を重ねることに持続期間も伸び、10回目以降より来院時の痛み評価が低下。右踵痛は16回目で消失し長年続けていたバドミントンを再開、20回目には左踵痛も消失し治療終了とした。
(※)痛みの評価
0点(痛くない)から10点(非常に痛い)までの11段階で痛みの度合いを表したもの
治療期間・間隔
平成30年10月12日初診~平成31年4月25日終了 全20回
10月~12月までは1週おき、翌年1月~は2週おきに治療を実施
補足
- 4回目下肢トレーニング再開
- 16回目バドミントン再開
- 18回目長期外出、痛み出ず歩行も良好
- 20回目両踵痛来院時の痛み評価が「0点」に
解説
この症例は、踵そのものの原因だけでなく、腰椎から仙骨にかけての脊髄・脊髄神経にも問題があると診断しました。当初腰痛も併発していたので、併せて治療を実施。脳内の痛みの長期記憶が関与しているため、来院時の痛み評価が低下し始めるのに10回程度必要でしたが、その後徐々に疼痛点数が下がり始め、まず右踵痛が消失、数回遅れて左踵痛も消失。腰痛の症状も落ち着きました。長年続けてこられたバドミントンも再開し、症状とライフスタイルどちらも改善できたケースです。
両踵痛、土踏まずの痛み、耳鳴り、不眠
踵痛・石の上で走行しているような感覚
医療従事者向け
遠絡統合医学の考え方
小泉医院遠絡医療を受診される方は、踵痛・足裏の痛み・しびれ・違和感(ジャリを踏んでいる感覚・靴下を履いているような感覚)といった症状の訴えが多いです。足裏や踵の痛みでの西洋医学的診断名が付き、治療をしているにもかかわらず、なかなか症状が改善しない方、また「ジャリを踏んでいる感覚」はMRIやCTなどの検査で異常が見つからないため、診断名がつかず、医療機関から納得のいく説明をもらえない方が見受けられます。
遠絡統合医学ではこれらの局所治療で改善されない症状は、中枢(脳や脊髄)に原因がある可能性が高いと考え、詳しい問診や触診により原因を特定し治療します。
たとえば、レントゲンで踵の骨に棘ができていると言われている場合でも、中枢の原因を治療することで症状が改善する可能性があります。
Ⅰ・局所性:足裏などの局所に原因がある
例えば、足根管症候群ではTinel様徴候陽性、足根管部を叩くと、しびれや痛みが生じます。距踵関節癒合症ではレントゲン検査でわかります。ガングリオンや神経症腫ではMRIやCTを検査すれば診断が付きます。これらの原因は局所に対する治療をすれば、改善が可能です。
1)足根管症候群が原因
坐骨神経の枝である後脛骨神経は、内くるぶしを回り、内側足底神経、外側足底神経に分かれます。内くるぶしの部分では、これらの神経が屈筋支帯で覆われたトンネル「足根管」を通過します。
足根管が屈筋支帯の炎症性変化による圧迫やガングリオン、神経鞘腫、脂肪腫で足根管が狭くなる。あるいは腎不全、甲状腺機能低下などの病気に関連した浮腫による圧迫があることもあります。
足根管症候群のしびれ、痛み・違和感の主な領域
主に足底の内側(つまり内側足底神経の領域)であることが多いですが、外側足底神経領域のみのこともあります。
後脛骨神経の分枝である踵骨神経は、多くの場合には足根管を通過する前に枝分かれするため、踵のしびれはないか、あっても軽度です。
2)その他の局所の原因
- 足関節ガングリオン
- 足の神経鞘腫
- 距踵関節癒合症
Ⅱ・中枢性:脊髄や間脳
1)脊髄に原因(脊髄ー脊髄神経):
片側の足の痛み・しびれ、踵、アキレス腱付着部の痛み
中枢の原因は腰から仙骨にかけての脊髄および脊髄神経にあると考えられます。通常局所性の症状は時間によって痛む部位が移動したり、症状が出たり消えたりすることはありませんが、中枢性の場合は時間によって痛みの度合いが変化します。また初めは片側だけだったのが、経過とともに反対側の同じ部位に症状がでてくる場合もあります。腰から仙骨にかけての脊髄に対する治療が重要です。
2)間脳に原因
両側足裏にジャリを踏んでいる・靴下を履いている・デコポコ感
腰椎に関する症状がないのに、両方の足に症状が出ている場合、または足裏に「ジャリ」を踏んでいる、または靴下を履いているような違和感、デコボコ感等がある場合は、間脳にある「視床」と呼ばれる部位が関係している中枢性症状であることが非常に多いです。間脳の治療をして「視床」の機能を回復することにより症状が改善します。
3)間脳及び脊髄に原因
腰部脊柱管狭窄症:足裏や踵に痛み・しびれ・違和感
間脳の蓄積症状:ジャリを踏んでいるような感覚・
靴下を履いているような違和感・足裏のデコポコ
腰部脊柱狭窄症などの腰痛に悩んでいる、足裏や踵に痛み、しびれ、違和感などの症状を訴っており、同時に両方の足裏に「ジャリ」を踏んでいる、または靴下を履いているような違和感、デコボコ感等がある場合は、間脳にある「視床」と呼ばれる部位に問題があります。腰髄及び間脳が関与するケースを、我々は多く経験しています。
►足裏のデコポコ感(遠絡診断学理論で検証中)
下肢の冷え・脊柱管狭窄症を合併している方が多いようです。
視床下部のBrain fogによる脊髄からの知覚神経の機能障害によるものか検証中です。
►鑑別疾患:
足の痛み、しびれ、違和感、ジャリ感など鑑別を要する疾患:
- 足根管症候群:Tinel様徴候:足根管部を叩くと、しびれや痛みが生じる
- 距踵関節癒合症:レントゲン検査
- 腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア:腰椎MRI
- ガングリオンや神経症種:MRIやCT
- 糖尿病性神経障害:血液検査
- 間脳の蓄積症状:下位脳(視床、視床下部、橋、延髄)の症状
当院での治療実績が多い疾患
交通事故後遺症
頚椎捻挫(外傷性頚部症候群)