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予約診療
医療法人東西医会 小泉医院遠絡医療

埼玉県草加市中央1-1-18  048-927-5370

更年期障害

難病指定医·遠絡指導医による
遠絡医療・バイオレゾナンス
EAT. ア-ユルヴェ-ダ. リハビリ

の診療をしている総合医院です

患者様向け

1-更年期とは

WHOでは、「閉経とは卵巣における卵胞の消失による永久的な月経の停止」と閉経の定義を定めています。医学的には、更年期の女性で12ヵ月以上月経がこない場合、過去1年を振り返って「閉経」と診断されます。

日本人女性の平均的な閉経年齢は50.5歳といわれています。この閉経年齢をはさんだ前後5年をあわせた10年間(45~55歳頃)を、一般に「更年期」と呼んでいます。なお、子宮筋腫がある方は閉経が遅い傾向にあるなど、閉経の時期には個人差がありますので、上記の年齢はあくまで目安としてとらえてください。

閉経期前後の約10年間に卵巣ホルモンであるエストロゲンの分泌が急激に減少することによって症状が現れます。

女性の閉経前における身体的症状としては、のぼせや顔の火照り、肩こり、全身のだるさ、頭痛の4大症状以外に、自律神経症状の不定愁訴などがあらわれます。

2-更年期障害の原因

更年期障害の主な原因は女性ホルモン(エストロゲン)が大きくゆらぎながら低下していくことですが、その上に加齢などの身体的因子、成育歴や性格などの心理的因子、職場や家庭における人間関係などの社会的因子が複合的に関与することで発症すると考えられています。

3-更年期障害の症状

更年期障害は、エストロゲンという女性ホルモンが急激に減少することでホルモンバランスが乱れることが原因になるほか、家庭や職場といった環境からの様々なストレスや、本人の性格などによる影響が大きく作用することもあります。このため、更年期障害の現れ方は一人ひとり異なります。

4-更年期障害の一般的治療

5-更年期障害の遠絡療法

更年期障害に起こる症状は、視床下部、脳下垂体などを中心にライフフローを調節することによって、軽快治癒させる事が可能と考えます。

[症例1]ほてり、のぼせ、不眠  46才・女性

今まで正常にあった生理が不順になり、不正出血、不眠があり、ホットフラッシュ(ほてり、のぼせ)の症状が頻繁になり、婦人科を受診、更年期障害と言われ、ボセルモンデポー注射を受けましたが、薬の副作用で治療を中断しました。

遠絡療法目的にて来院。遠絡にて上位中枢を治療し、1回目の治療で睡眠は改善し、よく熟睡できるようになりました。5回目の治療で、生理が正常に戻り、のぼせの症状も出なくなりました。

作用機序はホームページの「遠絡療法」をご参照ください。

[症例2]不眠、イライラ、憂うつ、肩こり、便秘 52才・女性

最近、順調にあった生理が止まりました。夜眠れなくなり、些細な物事にイライラし精神的に憂うつ状態。肩こり、便秘も酷くなりました。

婦人科を受診し、更年期障害と診断されました。精神安定剤と筋肉弛緩剤を処方されましたが改善せず、遠絡療法目的にて来院されました。上位中枢およびライフフローの調節を目的とした遠絡療法を行い、1回目の治療で夜間の不眠が改善、2回目の治療では便秘が改善しました。5回の治療ですべての症状が改善しました。

作用機序はホームページの「遠絡療法」をご参照ください。

医療従事者向け

1-女性ホルモンの分泌

女性の体は、脳の視床下部から分泌される「ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)」によって支配され、卵胞の発育や成熟、排卵などの月経周期が正常に営まれています。GnRHが脳の視床下部から分泌されると、脳の下垂体がそれを受けてFSHやLHが分泌し始め、FSHやLHは血流にのって卵巣まで移動し、卵胞の発育や成熟に関与します。卵巣からはエストロゲンとプロゲステロンが分泌されます。

2-月経周期における女性ホルモンの変化

通常、月経周期は25~28日で、月経周期の始まりは月経の開始日です。次の月経開始までの1回分の月経周期を「1サイクル」といいます。 月経周期は大きく3つに分けられます。卵胞が発育を開始して成熟卵胞になるまでの期間を「卵胞期」、卵巣から卵子が排出される時期を「排卵期」、排卵後の卵胞が黄体となる期間を「黄体期」といいます。

排卵直前にはLHが通常の数倍のピーク(=LHサージ)をつくることにより排卵がおこります。 エストロゲンの働きで、子宮内膜が厚くなり受精卵の着床準備をします。子宮内膜が厚くなると下垂体からFSH(卵胞刺激ホルモン)やLH(黄体形成ホルモン)という性腺刺激ホルモンが急激に放出されます。 排卵後の卵胞は黄体となりプロゲステロンが分泌され、受精卵の着床のための環境をつくります。プロゲステロンは体温をつかさどっている脳の体温中枢に作用を及ぼし基礎体温を上げる働きもあるため、排卵後プロゲステロンが分泌されている間は体温は0.3~0.6℃程度上昇する高温期となります。着床しなかった場合、黄体は萎縮し、子宮内膜は剥がれ落ちます。

月経の周期を正確に維持できるのは、女性ホルモンが正常に分泌されるから女性ホルモンに乱れがあると不正出血が起こり、年齢とともにエストロゲンのゆらぎと減少へ移行していくと、更年期障害が出現します。

3-女性ホルモンの低下と加齢(更年期へ)

更年期障害の主な原因は加齢による女性ホルモン(エストロゲン)が大きくゆらぎながら低下していくことですが、その上に家庭や職場における社会因子、自律神経の乱れ、心理的因子など複合的に関与することで発症すると考えられています。

4-更年期の主な症状

1)更年期と肩こり

肩こりの主病変は表層の僧帽筋です。深層では後頭骨と頚椎を連結する深背筋の中の頭半棘筋と頭・頚板状筋が、上肢を脊柱に連結する肩甲挙筋、小菱形筋、大菱形筋、そして肩甲骨と上腕骨を連結する棘上筋が関与し、副神経と頚椎由来の神経支配です。

頑固な肩こり、頚部痛の痛み・重みが取れない理由はその痛みの部位が12経絡の内の5つの経絡の通り道に当たり、そのエリアのライフフローの流れが鬱滞するからです。遠絡療法で改善している症例が多数あります。

2)更年期と頭痛

更年期と関連する頭痛として代表的なものには❶ 片頭痛 ❷ 緊張型頭痛の2種類があげられます。

片頭痛の症状は頭の片側が痛み、日常的な動作により悪化が認められ、脈を打つようにズキンズキンと痛みます。光に過敏になったり、音に過敏になったり、視覚症状(きらきらした光・点・線が見えたり、視野が一部欠ける)や感覚症状(チクチク感や感覚鈍麻)の予兆が現れることがあります。原因は三叉神経血管説などがありますが、女性が多いこともあり、エストロゲンの減少が明らかな誘因の1つと考えられています。月経に伴う片頭痛も月経時・黄体期のエストロゲンの低下で説明されています。片頭痛はエストロゲンの「ゆらぎ」が激しい閉経前に悪化し、エストロゲンの変動が抑まる閉経後には軽快します。月経に関連する頭痛症状のある方は、閉経前に片頭痛が悪化するリスクが高いと言えます。

緊張型頭痛の症状は両側性に頭をはちまき状の締め付けるような痛みや圧迫感、頭痛感など非拍動性の頭痛のが特徴であります、日常動作によって増悪しない。原因は疲労や長時間同じ姿勢でいることによる血流の低下が原因とされ、男性よりも女性に多く見られます。閉経後に症状が変わらない、または悪化したと訴える女性が多い、更年期の4大症状の一つであります。

頭痛のみの症状あるいは、全身の不調を伴う頭痛があっても、過去の遠絡治療で軽快させる症例が多数あります。

3)更年期と不定愁訴

女性の卵巣機能は、40歳を過ぎた頃から低下し始めます。これに伴って、卵巣から分泌される女性ホルモンの一つエストロゲンが急に減少すると、ホルモンの調整をつかさどる視床下部が混乱し、体内のホルモンバランスが乱れます。

その混乱は、自律神経にも影響を及ぼします。自律神経は、体温や発汗、呼吸や消化、脈拍、血圧などをコントロールし、一定に保つ働きをしています。自律神経の働きが乱れることで、様々な不定愁訴(ふていしゅうそ)の症状が現れます。

更年期は閉経期を迎える女性なら誰しも通る道ですが、ほとんど不調を感じずに過ごす人もいます。しかし、更年期の症状は、性格やストレスなど精神的なものや、子育てから手が離れる、親の介護といった環境にも左右されやすいため、人によって重かったり軽かったり、自覚がなかったりもします。また、例えば「頭痛」と「手足の冷え症」というように異なるいくつもの症状が重なって現れる場合や、「頭痛」が治ったら次は「めまい」というように日によって違う症状が現れるという特徴があります。検査をしてもどこにも異常がないのにつらい症状が現れるものを「不定愁訴」といい、更年期の症状はまさに「不定愁訴」の代表といえます。

不眠・不安・憂うつ、倦怠感、めまい・のぼせ・ほてり、手足の冷え、動悸・汗をかくなどの不定愁訴は、遠絡療法の治療中に消失していくケースが多く見られます。

5-更年期障害の治療

1)ホルモン補充療法
(Hormone Replacement Threapy:HRT)

更年期障害の主な原因がエストロゲンのゆらぎと減少にあるため、少量のエストロゲンを補う治療法(ホルモン補充療法:HRT)が行われます。HRTは、ほてり・のぼせ・ホットフラッシュ・発汗など血管の拡張と放熱に関係する症状に特に有効ですが、その他の症状にも有効であることがわかっています。エストロゲン単独では子宮内膜増殖症のリスクが上昇するため、子宮のある方には黄体ホルモンを併用します(エストロゲン・黄体ホルモン併用療法)。手術で子宮を摘出した方には、黄体ホルモンを併用する必要はありません(エストロゲン単独療法)。HRTに用いるホルモン剤には飲み薬、貼り薬、塗り薬などいくつかのタイプがあります。

ホルモン補充療法は、ホットフラッシュ、のぼせ、ほてり、発汗などの血管運動系の症状、閉経後骨粗しょう症の予防、泌尿器生殖器の粘膜が萎縮や乾燥して起こる性交痛や腟炎などの改善、動悸や知覚異常など自律神経系の不調の改善などの更年期障害に有効とされています。

2)漢方薬

漢方薬はさまざまな生薬の組み合わせで作られており、身体の虚実の状態を見ながら漢方薬を処方します。心身の全体的バランスの乱れを是正していく作用があります。多彩な症状を訴える更年期女性に対しては、「婦人科三大処方」とも呼ばれる当帰芍薬散・加味逍遥散・桂枝茯苓丸を中心に、さまざまな処方が用いられます。比較的体力が低下しており、冷え症で貧血傾向がある方に対しては当帰芍薬散を、比較的体質虚弱で疲労しやすく、不安・不眠などの精神症状を訴える方に対しては加味逍遥散を、体力中等度以上でのぼせ傾向にあり、下腹部に抵抗・圧痛を訴える方に対しては桂枝茯苓丸をそれぞれ処方します。

3)向精神薬

気分の落ち込み・意欲の低下・イライラ・情緒不安定・不眠などの精神症状が最もつらい症状である場合には、抗うつ薬・抗不安薬・催眠鎮静薬などの向精神薬も用いられます。選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)やセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)などの新規抗うつ薬は副作用も少なく、またほてり・発汗など血管の拡張と放熱に関係する症状にも有効であることが知られています。

4)その他の治療

多くの場合、加齢にともなう身体的変化、精神・心理的因子、家庭や職場・地域などの社会的因子が複合的に影響することで症状があらわれます。このため、適切な薬物療法とともにカウンセリングや心理療法が必要になる場合があります。

食事療法として、バランスのとれた食事をとること、野菜・果物から必要な量のビタミン類をとることが大切です。また、大豆イソフラボンの含まれた食品も積極的にとりましょう。

定期的な運動も大切です。運動はストレス解消に効果的であり、気持ちを前向きにする効果があります。

5)遠絡療法

遠絡医学は、血液、体液、リンパ液、髄液、ホルモン、イオン、神経伝達など現在解明されているものと、エネルギーなど未解明なものを含む、生体の流れ(ライフフロー)、東洋医学でいう「気」「血」「水」の流れを改善する治療法です。ライフフローがスムーズに循環している状態が健康な状態です。しかし、ライフフローが滞り、流れが細くなると「痛み」が現れ、詰まったところから先にはしびれや機能低下が生じます。

更年期障害の主な原因は女性ホルモン(エストロゲン)が大きくゆらぎながら低下していくことですが、その上に疼痛系的な身体的因子、情動系的な心理的因子が複合的に関与することが多く、ライフフローの改善で、これらの因子を軽快させる症例が沢山います。婦人科受診で満足な治療結果が得られなかったなら、一度当院の遠絡療法を受けてみる価値があるかと思います。

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