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医療法人東西医会 小泉医院遠絡医療

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子宮頸がんワクチン副反応

難病指定医·遠絡指導医による
遠絡医療・バイオレゾナンス
EAT. ア-ユルヴェ-ダ. リハビリ

の診療をしている総合医院です

患者様向け

子宮頸がんワクチン注射後副反応

1-子宮頸がんワクチン注射後副反応とは?

1)子宮頸がんについて

子宮頸がんとは、子宮の入り口に発生する癌のことです。子宮頚がんは遺伝に関係なく、原因の大半はHPVウイルス(ヒトパピローマウイルス)の感染により発生します。ウイルスは性交渉によって、人から人へ感染するとされています。20代から30代女性の発症するがんの第一位を占めており、年間3000人が死亡します。

1976年、ドイツ癌研究センターのハラルド・ツア・ハウゼン名誉教授は、HPVが子宮頸がんの原因であることを突き止め、1983年、子宮頸がんの中にHPV16型のDNAを発見、翌年、HPV18型のDNAも発見しました。この研究結果を元に、2006年には、子宮頸がんワクチンが製造されました。

日本語ではヒト乳頭腫ウイルスといい、ヒトの乳頭のようなイボを形成することからこの名前が付けられました。性交渉などから、粘膜や皮膚に感染するウイルスです。ウイルスは100種類以上ありますが、発がん性の高いウイルスは15種類あります。 (HPV16.18.31.33.35.39.45.51.52.56.58.59.68.73.82型)。その中でも、HPV16.18.52.58型が高リスクなウイルスとされています。

2)子宮頸がんワクチンについて

子宮頸がん予防の為に使用されるワクチンは2種類です。

2009年10月に承認された英・グラクソスミスクライン社の「サーバリックス」

2011年7月に承認された米・メルク社の「ガーダシル」

サーバリックスの有効成分のHPVウイルス蛋白質ウイルス粒子はイラクサギンウワバ(蛾)の細胞の遺伝子を組み替えて作成した蛋白質ウイルス粒子です。

ガーダシルは酵母の遺伝子を組み替えて作成した蛋白質ウイルス粒子です。両者とも、長期間にわたって高抗体価を維持するために、免疫増強剤が必要となり、水酸化アルミニウム懸濁液が添加されました。

ワクチンは、HPVに既に感染している人には効果がなく、また同ウイルスの増殖を刺激するという報告があります。これらの理由により、性交渉をまだ経験していない、HPV感染前の小中高の女子学生が優先に接種対象とされました。半年に3回接種することにより、最長6.4年間のHPVの感染防止が可能な抗体を作ることが出来ます。2013年4月定期接種として定められていましたが、副反応のため2013年6月厚生労働省は接種推奨を中止しました。

3)子宮頸がんワクチン副反応について

厚生労働省は、発表したHPVワクチン副反応(2013.3.31まで)として以下の症状を発表しました。

局所反応として:

関節痛、発赤、腫脹、蕁麻疹、発疹

全身反応として:

頭痛、発熱、不眠・過眠、倦怠感、めまい、脱力感、局所疼痛、全身筋肉痛

重篤な副反応として:

意識消失、失神寸前、アナフィラキシーショック、痙攣、ギラン・バレー症候群、急性散在性脳脊髄炎、全身性エリテマトーデス、複合性局所性疼痛症候群(CRPS)。

不随意運動として:

振戦、ミオクローヌス、ジストニア、舞踏病のいずれかに該当する、あるいは組み合わさった運動がみられます。

2-副反応に対する各専門家の見解

1)厚生労働省の検討部会

筋肉注射という針の傷みや医師の説明不足などからの心身の反応が原因と結論づけました。

2)厚生省副反応痛み研究チーム信州大医学部の池田修一教授

起き上った時に立ちくらみやめまいなどの症状が起きる体位性頻脈症候群のHPVワクチン副反応の患者は「心身の反応」や「自然発生的」なものでは説明できない。むしろ、ウイルス感染が先行しないと起こらない病態だと指摘されています。また、池田教授は、副反応の患者40人を調査し、29人に自律神経の異常を指摘されました。・・・1、2参照:

1、麻痺やけいれんが生じている患者の手足は温度(22..2.C)が健康な人(28.4C)と比べて低い、自律神経の異常により、血流が悪くなっている可能性が高い。

2、正常の方の皮膚内の神経束はぴっちり整列しているが、神経が壊れると皮膚内神経に白い部分、「むくみ」が多く観察された。(池田修一教授発表より)

3)国立精神・神経医療センター佐々木小児神経診療部部長

ワクチン自体が身体に影響を与え、末梢神経、特に自律神経の問題を引き起こしている可能性を指摘されました。

4)日本線維筋痛症学会・西岡東京医科大学医学総合研究所所長

HPVワクチンには、効果を高める添加物(アジュバント)としてアルミニウムなどが使われており、アジュバントによって、脳内の自己免疫異常がもたらされ、重症の筋肉痛や関節炎、認知障害、睡眠不良などの症状を引き起こすASIA症候群が生じていると指摘されました。

5)横浜市立大学医学部・横田小児科教授

幻聴幻影、幻視や性格異常の見られた患者の脳の一部に血流の異常が見られ、精査の結果「抗NMDA受容体脳炎」と診断しました。

6)フランス病理学者・ゲラルデイ氏

HPV注射局所の患者の筋肉を顕微鏡で調べたところ、筋膜の間にマクロファージとリンパ球が浸潤していることから、「マクロファージ筋膜炎」が生じたと発表しました。

3-子宮頸がんワクチン注射後副反応の治療

ワクチン接種後に何らかの症状が現れた方のための診療相談窓口が全国85医療機関(全ての都道府県)に設置されています。

通常の治療は、症状に対する対症療法が主体です。

四肢の疼痛、しびれ→リリカ 血管拡張薬であるオパルモン

起立性低血圧 →ドプス、リズミック

過眠症状 →モディオダール(ナルコレプシーの治療薬)

記憶力低下 →メマリー、アリセプトなどの抗認知症薬が試みられている。

免疫調整療法 →副腎皮質ステロイドホルモンのパルス療法、免疫グロブリンの大量静注療法
血液浄化療法(少数例に行われている)

上記に加え理学療法・心理療法などの集学的治療が重視されています。

当院では上記症状に遠絡療法が効果的であった症例を経験しています。

子宮頸がんワクチン副反応
に対する遠絡療法

難病指定医の小泉正弘医師、小泉眞理子医師が診断・治療します。遠絡医学(西洋医学の病態把握と東洋医学の経絡医学を体系化した医療理論)とバイオレゾナンス、アーユルヴェーダ医学の知識を駆使し、命の持つ自然治癒力を最大限に引き出す治療法です。
なお、必要に応じた心身のリハビリを、堂下佐知子(理学療法士)が担当し、総合的な支援を行います。

詳しくは遠絡療法をCLICK

[症例1]サーバリックス3回接種(女性19才、15-16才時に接種)

主訴:記憶力低下、睡眠障害、頭痛、生理痛、昼間の眠気、物忘れ

16歳: 眠気、頭痛、全身筋肉痛、便秘、下痢、羞明、記憶力低下
17歳: 頭痛、過眠(1日20時間)で学校長期欠席
〇〇呼吸器循環器クリニック
〇〇クリニック
〇〇レデイースクリニック
こころのホスピタル〇〇
18歳: 〇協同病院
〇〇メデイカルプラザ脳神経外科
〇〇睡眠総合クリニック
19歳: 〇〇付属病院小児科
HPVワクチン関連神経免疫症候群(HANS)と診断
⇒当院で遠絡療法実施後「頭がすっきり」

厚労省副反応・痛み研究チーム信州大医学部の池田修一教授は、副反応のある患者さんの皮膚温度が健常者に比べて低いことと、皮膚内神経に「むくみ」が多くみられることから、副反応は自律神経の異常により血流が悪くなっている可能性が高いと指摘しました。遠絡医学的には、血流のみではなく、血液、リンパ液、神経伝達などを含むライフフローのバランスの崩れを考えます。

自律神経の失調、ストレスなどにより副腎ホルモンの分泌が少なくなり、瞳孔の調節がうまくいかず、羞明(しゅうめい・まぶしさ・光過敏)が発生します。

ホルモンのバランスの崩れにより子宮内膜の剥離がスムーズにいかず、生理痛が発生します。

アトラス(頚椎1番のレベル)の詰まりにより脳へ行くライフフローが少なくなると、血管の攣縮、そして拡張した時に頭痛が生じます。

延髄の迷走神経の影響で、便秘、下痢が発生します。

海馬、前頭連合葉に影響すると、記憶力低下、物忘れが発生します。

入眠や覚醒に関係するホルモン(ドパミンやセロトニン分泌)が乱れ、橋の背内側被蓋野、延髄・網様体の腹内側部にあるレムオフ・ニューロンの働きも悪くなり、レム睡眠からノンレム睡眠への移行がうまく行かず、視床下部にある視交差上核の1日の覚醒、睡眠リズムが崩れ、眠気、睡眠障害、過眠が発生します。

この方は治療後は「頭がすっきりした」という感想でした、アトラスから脳へ行くライフフローを調節する治療を続けることで、改善が可能と考えます。

作用機序はホームページの「遠絡療法」をご参照ください。

[症例2]サーバリックス3回接種(女性23才)接種時19才

主訴:頭痛、睡眠障害、思考力低下、うつ状態

12歳: 起立性調節障害、頭痛、生理痛
19歳: 睡眠障害
20歳: 頭痛、生理痛が激しくなった
21歳: 集中力低下、思考力低下
22歳: うつ状態
23歳 当院にて遠絡療法実施⇒覚醒状態、頭痛、頚や眼の重さが軽減、継続治療にて、手足の冷え症など改善あり

解説:

患者様は、12才の時に起立性調節障害を指摘されています。人は起立すると、重力によって、血液が下半身に貯留し、その結果、血圧が低下します。健康な人ではこれを防ぐために交感神経が興奮し、下半身の血管を収縮させ血圧を維持します。また、副交感神経活動が低下し、心臓の拍動が増加し心拍量をあげ、血圧を維持するように働きます。起立性調節障害では、この代償機構が破綻して血圧が低下し脳血流量や全身への血行が維持されなくなります。

ライフフローの滞りが影響で、末梢性セロトニンが炎症性物質の放出を促進し痛みを誘発します。ノルアドレナリンやセロトニンの低下で、うつ状態を発症します。エストロゲン、プロゲステロンのアンバランスで、生理不順や生理痛を発生します。高次脳機能に関わる前頭連合野に影響すると、思考力低下が発生します。

一方、入眠や覚醒に関係するホルモン(ドパミンやセロトニン分泌)が乱れると、橋の背内側被蓋野、延髄の網様体の腹内側部にあるレムオフ・ニューロンの働きも悪くなり、レム睡眠からノンレム睡眠への移行がうまく行かず、視床下部にある視交差上核の1日の覚醒、睡眠リズムが崩れ、眠気、睡眠障害、過眠が発生します。

この患者様は、遠絡療法にてライフフローを調節した治療直後より、表情がはっきり(覚醒状態の改善)し、自覚的にも頭痛感がなくなり、後頭部から頚にかけても軽くなりました。目の重さも改善しました。週一回の治療を継続し、2ヵ月後には、手足、身体の冷え症の改善を自覚しています。すべての症状の維持と回復にはさらに継続的治療が必要と考えます。

作用機序はホームページの「遠絡療法」をご参照ください。

[症例3]不随意運動に改善がみられた症例(女性21才〕

主訴:右手の不随意運動、頭痛、めまい、下腿部の疼痛、倦怠感、低血圧

12歳: 初潮以後生理不順 生理痛あり 痛み止めで対処(現在も)
17歳: 子宮頸がんワクチン サーバリックス 3回接種
19歳: 5月 急に右手が振え始め、グルグル手が曲がる。
救急病院受診。ジストニアと診断。デパスを服用⇒効果なし。ボトックスによる治療。現在はピクピクする程度に落ち着いている。(ミオクローヌス)
6月 頭痛、フラフラめまい感、倦怠感のため大学を休学
○○クリニックで子宮頸がんワクチン副反応の診断 脳の血流低下の指摘 低血圧
21歳: 集中力低下、思考力低下

遠絡的理論に基づき、右手の不随意運動は大脳基底核、視床、視床下部、脳下垂体に影響するライフフローの流れを回復する治療を行うことで改善できると考え実施しました。治療後、腕の筋の不随意的収縮に改善が見られました。

作用機序はホームページの「遠絡療法」をご参照ください。

子宮頸がんHPVワクチン副反応  小泉医院

[症例4]下肢の痙攣 全身ムズムズ感 背部痛など(女性16才)

現病歴:生来健康

12歳 3回 子宮頸がんワクチン接種
接種当日の夜 頚・背部痛訴え
15歳 5月 手のしびれ、つまずいてけが、目がかすむ
6月 学校で手足が動かなくなる。手足の冷え。
歩行障害(跛行)一時的に車椅子使用 顔のしびれ 目の奥の痛み・頚・背部痛
7月 書字困難 パソコンで板書 
歩行障害(跛行)歩行スピード遅く横断歩道を渡り切れない
手足の感覚がない、強い倦怠感、朝起き上がれない
信州大神経内科やI赤十字病院リウマチ膠原病科にて頸がんワクチン副反応疑いとの診断
8月~ 手足の感覚鈍麻 歩行困難となり車椅子となる
その後、一時的な視力障害 睡眠障害 背中、後頭部の痛み、全身むずむず感などの症状でるも学校の協力を得て通学は継続
16歳 同様の状況が続き 7、8月にリハビリとTMS治療目的に入院
10~12月 再度入院 薬 TMS治療など

子宮頸がんHPVワクチン副反応 小泉医院

[症例5]めまい 左膝の脱力感 歩行障害など(18才女性)

主訴:左膝の脱力 歩行障害 頭痛 胸部痛 腰痛 左膝痛 両足部の痺れ
既往に幼児期に喘息 冷え症 生理痛など

現病歴

13歳 子宮頸がんワクチン3回接種
17歳 8月頃より めまい
10月 授業中、めまい・両膝がガクンガクンで力が入らず一時独立歩行不能。
翌日以降も左膝の脱力感が継続。
11月 S病院 脳神経外科
18歳 3~4月 J大学受診
6月 当院受診

当院受診後の経過

6月 初診時の主訴:左膝の脱力 歩行障害 頭痛 胸部痛 腰痛 左膝痛 両足部の痺れ
1回目の治療より 体全体が温かくなり歩きやすくなるなどの変化あり。
その後、週に1回のペースで治療継続。
治療後2日程度は腰や膝の痛みは改善、膝に力が入れやすくなど歩行も調子良い状態。
3日目頃より徐々に症状が戻る状態が続きました。
8月 夏休みを利用して、週2回に治療を増やしたところ、左膝の力が入れやすい状態が維持され歩行も安定。
9月以降 治療が週1回に戻り、通学及び体育祭、学校側の病状への理解に対する不信などによるストレスもあり、しばしば、過呼吸症候群、めまいが出現。歩行時の左下肢の脱力感も戻ったような状態となりました。母親と面接を行い、学校側に診断書を提出。
11月頃より 学校側の理解が進み、歩行時はロフストランド杖の使用を開始。 治療後の改善も5日程度持続するようになりました。
H29年1月
現在
独立歩行での左膝の脱力感(-)立位での膝伸展保持両側とも正常。
1週間調子良い状態が続いています。状態の維持を目的に、週1回治療を継続中です。

子宮頸がんHPVワクチン副反応 小泉医院

[症例6] 頭痛 足痛 だるい 意欲が湧かない 睡眠障害

[主訴]

頭痛、足痛、腰痛、だるい、意欲が湧かない、疲れやすい、睡眠障害、胃腸障害

来院時の状態

もともとは学園祭の実行委員を務めるなど活発だったというお話でしたがとてもそのような状態にはなく、休学、自宅療養中。表情もぼーっとしている。ご本人もご家族も「本来の調子ではない」と感じている状態でした。

[治療後経過]

毎週1回遠絡療法での治療を半年以上継続。徐々に笑顔が増え、受け答えにも力がはいってきました。治療途中で高校は卒業となり自宅療養が続いていたが、1日2−3時間の単元の履修より予備校に通学。治療開始1年以上、時々休みながらの軽いジョギングができるようになりました。

家族より「家での様子がとても元気になってきた。夜も眠れているのがわかり頭痛もほとんどなくなってきている。親としてもとてもほっとしている。
大学病院でもどこでも、検査はするけれど結局治療はしてくれない。できない状態。ここで治療してもらい、とても感謝しています」とのこと。

最終的に、第一志願の大学に合格し、治療は終了となりました。

小泉医院 遠絡統合医療センターでは、小泉正弘医師による遠絡治療とともに、小泉眞理子医師によるアーユルヴェーダの脈診やカウンセリング・食事指導なども行い、患者様のお体全体を診ながら治療に取り組んでいます。

作用機序はホームページの「遠絡療法」をご参照ください。

医療従事者向け

1-不随意運動の西洋医学的見解

不随意運動とは、自分の意思によらず、身体の一部が勝手に動いてしまう異常運動のことです。脳の一部である大脳基底核や錐体外路系(大脳から脊髄に降りる神経の運動経路のひとつ)の機能異常により生じることが多いです。

1)ミオクローヌス

筋攣縮により、身体の一部が突然びくっと動き、体幹全体、四肢顔面のすべてを含む広範囲に及びます。責任病巣は大脳皮質が主ですが、脳幹、脊髄も稀にあります。

2)振戦

リラックスした状態で手指などが細かく震える、動かすと減弱、消失します。主な責任病巣は黒質、視床外側核です。

3)ジストニア

手足や身体を不規則に捻った姿勢をとり、筋緊張が異常に亢進します。主な責任病巣は被殻です。

4)舞踏運動

不規則で目的のない、速く踊るような動きが突然始まり、持続時間は短い。主な責任病巣は尾状核です。

2-子宮頸がんワクチン副反応に対する遠絡療法

1)子宮頸がんワクチン副反応への遠絡的仮説

子宮頸がんワクチンの諸副反応には多彩な症状がありますが、大学病院などでCTやMRI等検査しても器質的異常はみつからない方がほとんどです。一部の方が、脳血流量の低下を指摘されています。

厚労省副反応・痛み研究チーム信州大医学部の池田修一教授は、副反応のある患者さんの皮膚温度が健常者に比べて低いことと、皮膚内神経に「むくみ」が多くみられることから、自律神経の異常により、血流が悪くなっている可能性が高いと発表されています。

遠絡療法では、診断は諸症状から病態を分析し、根本原因の特定を西洋医学的観点から行います。そして、治療は東洋医学的手法を使用します。東洋医学(漢方医学)では、気、血、水の3要素が身体中を常に巡っており、それによって心と身体の健康を守っていると考えられています。

「気(き)」は、体の正常な働きに必要なエネルギー源として体を巡る生命エネルギーのことです。「血(けつ)」は血液および血液によってもたらされる栄養分であり、酸素や栄養素を身体の細胞に運びます。「水(すい)」は血液以外の全ての体液(汗、唾液、尿、関節液、リンパ液、髄液など)を表し老廃物を体外に排泄しながら体に必要な水分のバランスを保ちます。

遠絡療法では、この気、血、水すなわちライフフローを自在に調節することができます。脳、脳幹部、脊髄など中枢からの症状も、中枢部分を巡るライフフローの流れを良くすることで、改善の実績を積み重ねています。

2)当院における遠絡医学による仮説

子宮頸がんワクチンの諸副反応患者さんが、器質的異常がなく、自律神経の異常により血流が悪くなっているというご指摘のもとで、遠絡的に病態を考察しますと、ライフフローの流れがスムースに行かず、視床、視床下部、脳下垂体の機能が障害されているか、或はそのバランスが崩れているため、正常な体の制御機構が働いていないと考えられます。

よって、視床、視床下部、脳下垂体に影響するライフフローの流れを回復する治療を行うことで、自律神経の働きを正常化し、不随意運動を含めた諸症状を改善できると考えます。

3-遠絡療法を学ぶ先生方に向けて

HPVワクチン副反応の遠絡的3次元、4次元、5次元の解説

0点は病気のない状態、静止している状態。しかし、0点から01のズレがあると、001(―)の空間が発生、相対的に002(+)の空間が発生します。01-02の立体的宇宙の空間が成立します。002から相応的01-yの点、線、面の(+)の空間が発生します。01-yの空間から、因果関係で、八卦が発生します。

八卦は3次元で、光波、目に見えます。01-yは4次元で、電磁波、目には見えない。002は5次元の世界であります。001-002は相対関係にあり、002-01-yは相応関係にあります。相対関係と相応関係から相依関係が発生します。

今回のHPVワクチン注射は2013年3月31日の時点で、約351万人が注射を受けましたが、副反応のある患者様は約450人、受けた方の全員が発症したわけではありません。

遠絡的に考えると、0点から001にズレが発生する原因は、患者さんの特殊体質(目に見える、見えないを含む)遺伝、思春期のホルモンのアンバランスの関係、或は002から01-yの発生は患者様のまわりの生活状況、ストレス、環境などが関与し、副反応を発症する閾値を低下させたと考えられます。

気、血、水のLife flow(ライフフロー)の流れがスムースに行かず、視床、視床下部、脳下垂体の機能に支障をきたしたか、或はそのバランスが崩れたため、延髄の迷走神経に影響が及び、迷走神経の機能低下が生じ、相対的交感神経の亢進をもたらしたすると、前述の信州大学医学部の池田修一教授がご指摘される自律神経の異常を来している状態に相当すると考えます。

更に、視床下部―下垂体路を構築するニューロンの軸索を通って下垂体門脈系の血管内に放出されるホルモンがうまく働かず、正常な体の制御機構が破綻し、免疫機能の撹乱が生じていると推測されます。前述の東京医科大学医学部の西岡教授がワクチン注射後のアジュバントによる自己免疫異常を指摘したことに相当すると考えます。

HPVワクチン副反応の症状は多彩です。Life flowが影響する部位によって出現する症状、または病名に対する病態を考察します。

注射の局所反応として、ワクチンの刺激で発赤、腫脹が現れます。

注射の全身反応として、Life flowが視床、視床下部に影響を与えると不眠、過眠、倦怠感等が発生します。視床は中枢神経系の最大の神経核であり、視床皮質路を通って大脳皮質と連絡、更に感覚野や運動野へも投射し、Life flowが視床の後腹側核に影響すると視床症候群が生じて、全身筋肉痛を訴えます。

脳下垂体に影響をあたえると蕁麻疹、発疹、免疫異常、月経異常が発生します。

延髄、橋、中脳に影響を与えると、十二脳神経の圧迫症状、例えば、失神寸前は延髄の迷走神経反射によるもので、意識消失は橋の神経細胞圧迫によるものと考えられます。

信州大学医学部の池田教授が体位性頻脈症候群はウイルス感染が先行しないと起こらない病態と指摘されました。ウイルスの感染による基底核の破壊或はLife flowの破綻による脳の低酸素脳症は、大脳基底核の損傷で振戦、ミオクローヌス、ジストニア、舞踏病などの不随意運動を起します。

更に、Life flowが延髄の炎症、腫れなどに影響を与えると、髄液の流れがうまく行かず、髄液の蓄積が始まります。髄液の蓄積は、第4脳室→中脳水道→第3脳室→室間孔→側脳室の髄液蓄積へ蓄積していきます。側脳室前角の拡張により、視床の前側の細胞局所圧迫が生じ、股関節麻痺、下肢の脱力感を発生させます。側脳室後角の拡張により、視床の後側の細胞局所圧迫が生じ、肩関節麻痺、上肢の脱力感を発生させます。

副反応はすべてのHPVワクチンを受けた人に発生していません。5次元的に0から001にズレがある病態、つまり種、遺伝、体質、思春期のホルモンなどの影響あるいは002から01-yにズレがある生活環境、ストレスなどの関与が、副反応を発症させる閾値を低下させたと考えられます。閾値の低下のもとで、気、血、水のLife flowの渋滞やアンバランスが脳の各部位に与える影響が、諸症状を発生させたと考えます。遠絡のLife flowを調節することにより、諸症状を瞬間的に軽快させることは可能でしたが、状態を維持するには、継続的治療が必要と考えます。

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当院での治療実績が多い疾患