CRPSとは/神経障害性疼痛/原因不明の痛みの治療法(遠絡療法など)

当院は難治性症状専門のクリニックです。西洋医学的に診断し東洋医学的に治療する遠絡統合医学・遠絡療法を主に、バイオレゾナンス療法 Bスポット療法 アーユルヴェーダなど他では受けられない治療法を駆使して難治性疼痛を治癒に導きます。

このような症状にお困りではありませんか?

  • 怪我、骨折などきっかけとなった外傷は治癒したのに痛みが治まらない。
  • 外傷などのきっかけがなく徐々に痛みが始まり、痛む場所が移動したり、時間によって痛みが出たり出なかったりする。
  • 長い間、痛みやむくみが続いたり、関節の動きが悪くなったりする。
  • 痛みの部位が、時間経過とともに拡大し、ピリピリ、チクチクする。または、ズキズキ、ガンガンする。または、シュワシュワ感などおかしな感覚がともなう。
  • ビリッと電気が走るような痛み、火傷をしているような熱い痛みを感じる。
  • レントゲンやMRI検査、リウマチ検査などでは異常がみつからず原因不明。

神経障害性疼痛(しんけいしょうがいせいとうつう)とは?

なんらかの原因で末梢神経や中枢神経が損傷や障害をされたことによって生じる疼痛です。原因としては、外傷や手術、癌(がん)・糖尿病・帯状疱疹などがあげられます。軽く触れただけで激しい痛みを感じたり、刺激を受けなくても強い痛みが出たり、焼けるような痛みが持続します。

複合性局所疼痛症候群(ふくごうせいきょくしょとうつうしょうこうぐん)CRPSとは?

複合性局所疼痛症候群(Complex regional pain syndrome:CRPS)は、以前はカウザルギー、RSDなどと呼ばれていました。重度の神経障害性疼痛のひとつです。

多くは、怪我や手術、あるいは関節の長期固定などをきっかけとして発症し、きっかけの状況とは不釣り合いな激しい痛みや触ると悪化する痛みが続きます。とくにきっかけなく発症することもあり、しばしば原因不明といわれます。風があたる、服がすれる、湿布を貼るなど通常は痛みにつながらない程度のわずかな刺激を強い痛みとして感じる感覚障害(アロディニア)を伴う場合もあります。

  • 例えば、打撲後の傷は治癒しているのに打撲した部位から遠位にかけてビリっと電気が走るような激痛(電撃痛)や火で焼かれているような激痛(灼熱痛)が発生する等(ピリピリ、チクチク、ズキズキ、ガンガン…)。

疼痛部位に浮腫や皮膚血流の変化を伴う場合も多々あり、交感神経の関与が疼痛を引き起こす一因と考えられています。

神経障害性疼痛/複合性局所疼痛症候群(CRPS)の一般的な治療法

1.薬物療法

  • 非ステロイド系抗炎症薬
    (例:アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、インドメタシン等)
  • 典型的な機序を介さず中枢神経系に作用する薬剤(例:トラマドール)
  • 抗うつ薬(例:アミトリプチリン、ドキセピン、ノルトリプチリン、トラドゾン等)
  • 経口リドカイン(メキシレチン-やや実験段階)
  • 抗痙攣薬(カルバマゼピン、ギャバペンチンは持続痛を同様に緩和する場合がある)など

2.交感神経ブロック・交感神経切除術

3.理学療法

当院では、上記のような一般治療で改善されない症状に対して、遠絡療法という東洋医学的な手法を用いた治療を行っています。CRPSや神経障害性疼痛という診断名がつかない場合でも、治療は可能です。

神経障害性疼痛/複合性局所疼痛症候群(CRPS)に対する遠絡療法

遠絡医学では、「神経線維が破壊され、表在感覚である温度覚・痛覚が亢進し、触覚と圧迫覚が低下している病態を伴う症候群」を「神経線維破壊症候群」として提唱しています。神経障害性疼痛も、複合性局所疼痛症候群(CRPS)も「神経線維破壊症候群」の一部と考え治療します。

例えば、

  • 脳卒中発症後に、右または左側の顔や体幹、手足などに後遺症として、触れると悪化する痛み
    ⇒ 大脳の神経細胞 及び 神経線維破壊に伴う神経線維破壊症候群です。細胞の破壊は再生できないので麻痺などの運動障害は改善できませんが、神経線維の修復は促進できるので、痛みは治療できます。
  • 奥歯を噛みしめるとビリッと痛む症状
    ⇒ 三叉神経の神経線維破壊に伴う神経線維破壊症候群
  • 頭部の表面、上肢、下肢などの部分に触れると悪化する電撃痛や灼熱痛がある
    ⇒ 脊髄の神経線維破壊に伴う神経線維破壊症候群
  • 帯状疱疹後神経痛
    ⇒ 脊髄神経の神経線維破壊にともなる神経線維破壊症候群
  • 外傷や手術など末梢神経の損傷後、その神経が支配する末梢の領域に電撃痛や灼熱痛、浮腫、皮膚の血流変化、萎縮などの症状がある痛み
    ⇒ 局所の神経線維破壊症候群

遠絡医学では、上記のように病態を捉えています。一般的な西洋医学では、CRPSのほとんどが痛みの出ている局所に原因があるとして対応されています。しかし、実際は局所のCRPSと診断されているものの多くは、脊髄や脳など中枢性の神経線維破壊によって手足や顔に症状が出ているケースが多いと考えています。

原因部位の診断を正確に行ない、その部位に対する遠絡療法を実施することで、上記の例にあげた激痛のほとんどがその場でやわらぎ効果を実感できます。根本治癒には、破壊された神経線維の修復が必要ですが、遠絡療法により修復のスピードを大幅に促進することが可能です。非常に多くの治療実績があります。

神経障害性疼痛、複合性局所疼痛症候群のどちらに対しても、遠絡療法は非常に有効な治療法です。

遠絡療法による治療の実際

遠絡療法は、注射や薬、手術などを必要としません。体の表面にあるツボのようなポイントを、ソフトレーザーの光や治療用押し棒にて刺激します。しかも、症状が出ている部位は刺激しないため安全、安心な治療です。

原因部分の血液、リンパ、髄液、神経伝達物質、内分泌などの流れが回復することで、神経線維の修復を促進するとともに症状が改善します。
刺激に使うポイントは、鼻の下、口元、のど、腹部、手、足、指、などにあります。
どのポイントをどのような手技で刺激するか、医師が処方します。
治療時間は、処方内容により30~50分程度です。

【遠絡療法 治療例1】
ソフトレーザーによる刺激
ソフトレーザーによる刺激

【遠絡療法 治療例2】
押し棒による手や足の刺激
押し棒による手や足の刺激
(症状の出ている部位は刺激しないで治療可能です。)

【症例1】足関節捻挫後に発生したCRPS(12才男児)

12才の男児。バスケットの練習中、ジャンプした時に、左足首を強く捻りました。足首が腫脹し痛みましたが、自然に治るだろうと自分で湿布をしていました。

1ヵ月後に足首から足趾(ゆび)に、触れると火傷をしたような痛みが走るようになりました。左外果周囲から足背、足底が腫れ、第3.4.5趾が細くなっています。その後、転々として、他院の治療を受けましたが、改善せず、遠絡治療の目的で、当院受診。

初診時、左外果から足背にかけて、触(ふ)れると悪化する痛みがあり、歩行は杖を使用していました。当院で週1回遠絡治療を受けて、1ヵ月で、杖を使用せず、歩けるようになり、3か月で足背も触(さわ)れるようになりました。その後、月1回の治療を受け約2年で足の痛みは完全に消失しました。

症例1

解説:

この症例は遠絡医学的には、局所の神経線維破壊が原因と診断しました。遠絡治療によって、神経線維の再生を促進し、回復に至った症例です。

(遠絡医学診断指導医 小泉正弘)

【症例2】膝手術後に発生した左上肢、下肢の触(さわ)れない痛みと痺れ(12才女児)

12才女児。両膝の痛みにて、大学病院を受診、両膝内側膝蓋滑膜壁障害と診断されました。13才の時、右側膝関節鏡視下滑膜切除術を受けました。

1ヵ月後、左側膝関節鏡視下滑膜切除手術を受けました。手術直後より、左大腿部全体と左肩関節から指にかけて、触ると悪化する強い痛みと感覚障害となり、安静でも激しく痛みごくわずかの刺激でも痛みが悪化する為、歩行困難となりました。手術を行った大学病院より、遠絡治療の目的で、ペレス銀座クリニック(遠絡療法創設者 Dr.KO(柯 尚志(こう しょうし)医師)のクリニック(当時)を受診しました。

初診時:左上肢外側(肩~指)と左大腿部内側に触ると気持ち悪くなるような違和感と痛み及び左大腿部外側の電撃痛がありました。

遠絡治療は、アトラス(頸椎一番)と頸部の脊髄や、間脳や脳幹部のライフフローを改善する治療により、左上肢下肢の痛みはすべてその場で改善しました。

症例2

解説:

この症例は、術後に患者様の搬入の際に、ベットに移すときにアトラスに負荷がかかり神経線維の損傷があったと考えられます。

アトラスから右大脳の神経細胞、神経線維の圧迫よって、上位脳からの神経線維破壊症候群を起した症例です。アトラス周囲の炎症除去及びライフフローを調節することによって、右大脳の神経細胞、神経線維の圧迫が緩和され、速やかに症状が改善された症例です。 

(遠絡医学診断指導医 小泉正弘)

【症例3】両腕のCRPS(左背部の線維腫摘出手術後から発生した左肩・肘・腕の異常な痛みと2年後に右腕に発生した耐え難い痛み)(45歳男性 茨城県)

傷病名
左弾性線維腫摘出後 CRPS
既往歴
幼少時 虫垂炎手術
31歳 腰椎ヘルニア手術
現病歴 及び
治療経過

平成27年6月8日 左背部の弾性線維腫を摘出の手術。その後、左肩・左肘・左前腕など摘出部位とは無関係な部位に異常な痛みが出現し、整形外科にてCRPSと診断を受け、リリカ・デパス、ドレニゾンテープで加療。デパスとはご本人判断で早期に服用中断。リリカとロキソニンで疼痛コントロール。ドレにゾンテープはやはりご本人の判断で貼ったり貼らなかったりで、平成29年7月からは全く使用しない状態。リリカは平成29年5月で終了。

H29年3月より、非常に痛みが辛い時の頓服用としてトリプタノール(25)の処方を受け、時々服用。

H29年8月より、右上肢の耐え難い痛みと痺れが発症。

H29年9月1日小泉医院遠絡医療を受診。初回治療時、左上肢は肘から手指にかけての疼痛と痺れ(FPS 4 / 10 )右上肢は腕の付け根から手指にかけての疼痛と痺れ(FPS 8/10)両肩とも痛みのため可動しずらく両手とも握力がほぼゼロ(しびれが強く握っても力がはいらない)状態。初回治療後より、治療ごとに痛みやしびれの範囲が小さくなり、痛みも軽減。肩の可動性も改善し、握力も復活している。(9月8日 治療3回目)

動画

症例3

解説:

この症例は、はじめ手術をきっかけとして左腕のCRPSが発生したあと、2年経ってから右腕の症状が発生しています。通常の医学では非常に診断が難しい症例でありますが、遠絡医学においては「神経線維破壊症候群のTYPE III(脊髄の神経線維のダメージから発生する中枢性の疼痛。触るなど外部からの刺激によって痛みが悪化するのが特徴のひとつ」と考えれば、その病態を理解し治療することもさほど難しくはありません。今後も治療を重ねるごとに、改善していかれることでしょう。

(遠絡医学診断指導医 小泉正弘)

【症例4】3年間原因不明といわれ続けた左足首前面の痛み発作と下垂足(53歳 女性 神奈川県鎌倉市)

既往歴
10代~生理痛、重度の頭痛。 頭痛薬、鎮痛剤を服用することが多い。30代後半~めまい。45歳頃~両肘痛。50歳~暑気に極端な食欲低下、体重減少 秋に回復を繰り返している。
現病歴
50歳 重い皿が足に落ち、左足前面を打撲。激痛だったが2~3日で痛みは落ち着いた。その後、徐々に左足があげづらく歩きにくい状態とともに、ときどき足首の前側をえぐられるような痛みが出現。整形外科では、検査上は問題なく神経の束の損傷があった可能性を指摘された。足首に注射をおこなったところ、腰から左下肢全体がずどんと重く、しびれた状態になったが、1日程度で改善した。その後も、しばしば足首前面の激痛発作が1日に数回、数分程度続き、歩きづらい状態が継続した。神経内科等も受診したが、原因不明といわれた。57歳3月より、きっかけなく激痛の発作が頻発するようになり、睡眠も妨げられるようになったため、4月に当院受診された。
治療経過

診察にて、腓骨神経および腰部脊髄、視床等に原因部位があると診断され、遠絡療法を実施。

治療前は、自発痛、触圧刺激などによる痛みも無い状態だった。左足関節の背屈力が低下、足趾が屈曲し軽くこわばりがあり、左下腿から足部にかけて赤みや腫れ感が軽度あった。歩行時は左側が下垂足の状態で右に上体を傾けて下肢を挙げていた。

治療直後より、上記すべてに改善がみられた。その後、週2回の継続治療を実施。ほぼ、1日中あった痛みの発作は、2~3日に1回~数回程度に落ち着き、歩容も改善した状態が維持されている。頭痛も、頭痛薬を飲まずに生活できる日が増えている。

動画


https://youtu.be/HvYBhNlkAA0 (こちらをクリック)

解説:

症例の足首の前側をえぐられるような痛みはCRPSの症状と考えます。重い皿が足に直撃した際、腓骨神経の神経線維破壊が起こり、触覚(Aβ神経線維)から痛覚(損傷し脱髄状態のC神経線維)に電気信号が流れ込むようになり、軽く触れるだけでも激痛となっています。

更に、痛みの発生には複数の神経伝達物質が関係しており、セロトニン、ドーパミン、GABA、CGRD、サブスタンスP、NOなどがあげられますが、特にセロトニンの分泌低下が下行性疼痛抑制系の機能に影響を与えます。

症例は、13歳の頃から生理痛、頭痛がありました。頭痛が長く続くとその痛み自体がストレスとなります。不眠症になり、睡眠導入剤の服用を継続されています。長期的なストレスや不眠は、セロトニンの分泌を低下させる原因のひとつになります。

また、50代というのは女性が更年期で性ホルモン動態が不安定な時期であり、特に卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌が低下しますと、脳内セロトニンも減少しやすくなります。

セロトニンの分泌低下状態により下行性疼痛抑制系の機能不全が潜在的にあったため、足の打撲をきっかけとした激痛発作に発展したと考えます。

遠絡療法は、生体の流れ(Life-flow)を改善します。Life-flowには神経伝達物質が含まれますのでセロトニンの分泌も適正に近づき、下行性疼痛抑制系を賦活させます。その結果、足の激痛発作だけでなく、頭痛も同時に改善したと考えられます。

(遠絡医学診断指導医 小泉正弘)

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